【ちょい前向きな話①】不可能じゃない理由「やったことがないからむずかしい」は正しいか からの続きです。






まず１つ目は、崎山が体験した奇跡に近い出来事をひとつ聞いてください。


大学受験予備校の経営企画をしていた２２年前、

まだ誰もやったことのないような、

高校生の一生の記憶に残るような大学受験の説明会と講演会を計画しました。

高校生にとっての大学受験を、ただ苦しいものではなく、夢と希望あるものにしたかったのです。



これまでにない斬新（ざんしん）で大規模な説明会＆講演会をするためには、

早稲田大学と慶應義塾大学の参加が不可欠です。

両方の大学の広報部に頼んで講演を依頼したのですが、

そういったことはやったことがない、前例がないということで、断られました。

私はちょっと頭にきたんですね。

必死にがんばっている高校生たちに、夢と希望をもってもらう機会をなぜ断るのか。

早稲田大学と慶應義塾大学を絶対に後悔させてやると決めたんですね。

そのためには、早稲田・慶應よりさらに上の大学にアプローチするしかないと思ったんです。

東京大学です。

東京大学が参加するとなれば、早稲田と慶應は必ず引っ張り出せると確信していました。

早稲田も慶應も、優秀な東大受験生に併願で受験して欲しいはずです。

とはいえ、東大に直接交渉しても断られるに決まってます。

日本の最高峰の教育と研究をする国立大学の頂点ですからね、

小さな無名予備校の思いつきのアイディアなどに耳を傾けてくれるはずがありません。

何か方法はないかといろいろ考えてみましたが、アイディアは何ひとつ見つかりませんでした。



あるとき、日本経済新聞の夕刊を見ると、興味深い人物が紹介されていました。

母子家庭で貧しいながら、理科と俳句が好きな少年が、物理学者になり、

東京大学総長、参議院議員、文部大臣になって日本の明るい未来を語る内容でした。

私は、この人物にほれ込んでしまいました。

どうしても、この人に講演会をやってもらいたい。

いや、やってもらわなくてはならない。

この人のものの考え方や生きざまを、高校生たちに知って欲しいと思ったんです。



そう思うと居ても立ってもいられません。

この日本を動かす超大物に、どうすれば接触できるか考えました。

まずは、当たってくだけろ。

参議院会館に電話しました。




電話回線は何人かに受け継がれて、なんとかその方の秘書につながることができました。

「どうしても有馬朗人（ありま・あきと）先生に会いたい」

「受験勉強する高校生たちに夢と希望を与えて欲しい」

そんな感じで猛アプローチしました。

すると翌日、私の部下から

「崎山さん、有馬さんの秘書という人から電話です」


（次回に続く）




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