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2025.01.09 進路指導室

c  【進路の基礎知識②-4】進学も就職もしないという選択(前)

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池袋PARCOの中にあった不二家さんでアルバイト、時給450円。

昭和の時代、私が高校生のときです。

ビッグマックセットは500円、牛丼300円でしたから、時給450円じゃ厳しいですよね。

ふぅ。

令和7年の現在、最低時給は1163円(東京都)。

都内(山手線内)だと、時給1350円が多い気がする。

ビッグマックセットは830円、牛丼500円、昔と比べれば悪くなさそうですね。



時給の最低限ってのは都道府県ごとに違ってましてね、

同じ仕事をしても、東京と埼玉じゃ違います。

ちなみに埼玉は1078円(10月にやっと1000円超え!)。

よかったですね。

でも埼玉県の人は東京で働くことが多いですよね。

朝の埼京線、東武、西武線をみると混雑すごいですもんね。




ちなみに、正社員の場合。給料の話ですけどね。

都道府県が決めた最低時給です。

月の労働時間が一日8時間、月20日とすると、160時間。

最低時給が1163円(東京)なら、1163円×160時間=186,080円。

ここから、所得税、住民税、厚生年金、各種保険を引かれて、15万円に届くかどうか。

そんな会社、たくさんあります。

1人暮らししたら、いやあ、かなり厳しい家計になりますね。

だから、就職したからえらい、なんて思っていると、実は最低時給が実質930円とかね、そうなっちゃう。

同じ職場に時給1300円の通信制高校生がいて、時給930円の正社員がいて、手取りはほぼ一緒、なんて、ありうる。

正社員だと若くても少しはボーナスがでるから930円はちょっと極端ですがね。

まあ、世の中はそういう風に変化しているんですね。

同一労働、同一賃金ってね、これからは正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトなど壁がなくなってくる。

正社員の特権は、60歳まで働けるというだけのことになるくらいの勢いだ。




こういう時代だから、これまで価値があった「大卒」「正社員」の2つの影は薄まってゆくかもしれない。

一方、時代とともに価値が強くなっているのは「イイネ!」のような、他者の評価。

仕事でいえば、

「この人の仕事なら間違いない」

といったイイネに相当する、信頼だ。

「信用」「信頼」は英語でクレジット(credit)といいます。

クレジットが高い人は価値が高いって評価になります。




就職や転職のマーケットでは、「実績」というクレジットが「イイネ!」に相当します。

自分が積み重ねてきたクレジットが高ければ、引っ張りだこ。

ただ就職しただけで実績がなければクレジットが低いので価値なし、

という市場評価につながる時代です。



こういう時代は、進学しない。就職しない。という選択肢は、ある意味で面白い。

じゃあ何してた?

という質問に堂々と答えてやりましょう。


「海外でバックパッカーしてた」

「ミュージシャンやってた」

「絵描いてた」

「小説書いてた」

「被災地でずっとボランティアしてた」

「アルバイト月300時間やって50万円届いた」

「インターネットでハーバード大学の授業受けてた」

「ダンサーのイベンターやった」

「サロン開いて500人集めた」

「インフルエンサー」

「アクセサリーでプチ起業」

「建設現場で超ブラック企業の世界を経験」

「フォートナイトで仮想空間作った」

「ゲームで世界大会行った」

「アプリ作った」

「アメリカでパイロットの免許とった」

「フランスで日本文化広めてきた」



などなど、まあ個人でもいろいろとやれることがあるんですね。

だから、昭和の人生のレールである、

高卒→大卒→就活→内定→就職→転勤→出世→住宅ローン→単身赴任→定年

みたいな人生は今もちゃんと機能していますが、

じゃない人生もいいじゃないですか。

一番重要なのは、やらされる人生じゃなくて、面白がってやっていけることね。

昭和の時代には不可能だったことが、令和ならできる。

理想の自分を思い描いて、そこへ向かって進むもよし、

どこに向かうかわからないけど、目の前のことに必死になる、

美しき青春じゃないか!





注意点1つ。

学校の教員の中には、進学か就職か、とにかく進路を決めることが重要と考える教員が少なくない。

しかし、したくもない進学、就職など、本人にとって何の価値があるか。

昭和の時代はみんな就職したかったのね。

就職しないとご飯食べられないし、田舎に帰って貧しく生きるしかなかった。

昭和人にも伝わるよう、ちゃんと説明できるようにしておいて欲しいの。

どういうことしたいのか。

どういう仕事ができる人になるか、

どういう生き方が理想か、

そのためには、どういう仕事が面白いか、

どういう技術をもてばいいか、

そうやって試行錯誤しながら、

自分の生活の満足店を高める。

妥協の進学・流れで就職より、価値ある悔いのない満足度の高いQOLが手に入るはず。

(QOL=クオリティー オブ ライフ・生活の質)

進学しない、就職しない、という人は、自分の心に素直になって、

自分の満足する世界観を実現して欲しいのです。

そういう人たちがこれから多くなる気がしています。



進学するなら、優秀な成績で卒業する決意をしよう。

就職するなら、プロとして通用する人を目指そう。

進学も就職もしないなら、他の人がやらないような、自分が心から面白がれることをしよう。

自由を愛するシティーキャンパスでは、そういう生徒の新しい時代に適応できる進路を見つけます。



【進路の基礎知識】

第1部 通信制高校生は進路で悩むことがとても正しい
第2部 通信制高校生の大学受験・どう有利に合格を獲得するか
第3部 通信制高校生の専門学校進学はラクだと勘違いされやすい理由
第4部 通信制高校生の就職はゴールではない
第5部 進学も就職もしないという選択(前)
第6部 進学も就職もしないという選択(後)


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