写真は原宿表参道シティーキャンパスのテラス
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100年をどう生きるか

動かない。

じーっとしてる。

ただただ、動かず岩陰でじーっと待ち続ける。

しばらくすると、目の前に小さな魚が。

すぐには動かない。

じっくりひきつけておいて、

ついにその時がくる。

パク。

目にも止まらぬ素早い動き。

一瞬のことだ。

3月2日に放送があったNHKスペシャル
「ディープオーシャン 幻のシーラカンス王国」
で幻の古代魚・シーラカンスの希少な捕食シーン。

番組スタッフはダイオウイカの生態を撮影したことで知られる。

今回のシーラカンスの生態もかなり面白かった。

シーラカンスの寿命は100年を超えるそうで、

人間より長生きといえる。

長生きする生物、ホッキョククジラが200年だとか。

ニシオンデンザメにいたっては何と400年と言われている。

それには及ぼないにしても、100年はやはりタダモノじゃない。

シーラカンスの静と動。

ムダに動かず、

ひたすらチャンスを待つ。

まるでチャンスは必ずやってくると信じているかのようだ。

待つ。ひたすら待つ。

チャンスが近づいてきてもギリギリまで待つ。

そして、確実に獲物を捕らえる。

シーラカンスは絶滅した、長いこと人類はそう考えてきた。

しかし、人類の目の届かない場所で、じぃっと、生き続けていた。

１９３８年に南アフリカで確認され、

１９５２年にインド洋コモロ諸島で、

１９９７年にはインドネシアで、

ずいぶん広範囲で長い期間、そうやって生き延びたものだ。

長い人生（魚生？）をうまく渡っていくためのコツを

知り尽くしているようにも見える。

人類も、これからは１００年を生きる時代に入る。

シーラカンスに学ぶことは何かあるだろうか。

生きた化石になりたいわけじゃないけれど、

日本人の寿命は世界最長寿であることを改めて思い出す。

人類の中でも真っ先に100年を超える人生になる可能性は高い。

まだ人類がよくわかっていない100年という人生をどう生きるか。

昭和生まれの価値観じゃとても見えてはこない。

人生のほとんどを、高齢者として過ごすなんて、いやだ。

高校生に聞いても、絶対いやだ、耐えられないと言う。

だから、新しい人生観、人生デザインが必要といえます。

100歳までは青春、中高年になるのは100歳を過ぎてから、

くらいの人生計画でちょうどいいんじゃないの、

なんかシーラカンスにそう言われたような気がした。


※　　※　　※


昭和生まれの残りの人生はせいぜいあと50年程度。

新しい人生観・人生デザインは十代の人たちが当事者として考えるべきテーマだ。



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