アルバイト経験をたっぷり身につけた通信制高校生はとても大人

「アルバイト先から正社員にならないかって言われてるんですよね」

「ああ、そうらしいね」

「アルバイトは続けたいけど、正社員はいやです」

「そうか、まあ高校２年生だからね、まあ考えときます、くらいでいいんじゃないかな」

「はい、でもしつこく言われるからつらい」

「ずいぶん認められてるんだね、なにを評価されてるのかな」

「明るさとか、元気とか、あとシフトを破らないとかかな」

「なるほど、他にも新人教育ができて、英語も少しできるよね」

「あ、そうです」

「それから、きれい好きだし、よく動くし、仕事に文句言わないよね」

「まあ、そうです」

「そろそろ次のアルバイトに変えていいんじゃないかな」

「そうですか？」

「だってさ、もうその職場から学ぶことないじゃん」

「確かに。ほぼ任されてます」

「さらに仕事のレベルをグレードアップさせたほうがいい」

「たとえば？」

「客単価が高くてハイグレードな店舗がいい」

「そんなとこ、高校生なんか面接で落ちますよ」

「君のキャリアなら可能性はある」

「そうですかね」

「普通の高校生にはできないような仕事をするんだ」

「わかりました、ちょっと考えてみます」

「高級レストランで探してみよう・・・これとか」

「こんなすごいとこ、むりです」

「むりでもいいじゃん、応募しても何ももってかれないんだから」

「それはそうですけど」

「この求人のタブから応募するんだ　善は急げ」

「ひやあ、怖い怖い」

後日

「やっぱりだめでした」

「馬鹿な店だ、こんな有望な若手を育てるチャンスを逸したな、そんな店は無視、次いこう」

アルバイトと正社員の違いは１つ

正社員だから仕事をがんばる、アルバイトだからがんばらない、

という区別をできる人はいません。

アルバイトでも、常にいい仕事を心がけて成長する人も多いし、

正社員でも無責任な人はたくさんいます。

アルバイトで仕事に取組む姿勢はそのまま正社員になったときの自分です。

正社員とアルバイトの違いはただ１つ、契約期間の違いです。

アルバイトの契約期間は１年未満で、

正社員の契約期間は60歳。

単にそれだけです。

法律でそうなっています。

正社員を60歳より前にクビにしたい経営者は、

数年分の給与を先に渡すから辞職してくれ、とやるわけです。

なにも落ち度のない正社員をクビにすることは簡単じゃないんですね。

ただ単に働く期間の違いだけなので、

仕事の能力には個人差があるわけです。

無能な正社員、有能なアルバイト、がありうるのです。

無能な社長もたくさんいますが、

無能な社長でも、無能であることを自覚している場合は、

「自分は無能だから有能な君にこういった仕事をしてもらいたい」

というような指示を出して、人望を集める人もいます。


無能な人は優秀な人を見抜き、のびのび働ける環境をつくります。

無能であることを、逆転の発想でプラスにするのも経営者の醍醐味（だいごみ）です。

「自分は無能だから君に頼みたい」

と言われれば、喜んで引き受けたくなるじゃないですか。

有能な経営者、管理職は、人を動かすのがうまい人が多いものです。

そういう有能な人たちに、うまく転がされてみるのも良い経験になります。

仕事に慣れたら少しだけ経営者の視点をもってみる

いい上司は、経営者の視点をもっています。


最大の売上高、最小の経費で最大の利益が生まれますので、

売上高を損失していないか、経費が余計にかかってないか、顧客は満足しているか、

そういった視点をもてれば、もう経営の基礎が理解できたことになります。

たとえ経理がわからなくても、決算書が読めなくても、

現場に立って、ベストな運営ができているかどうかがわかることが大事で、

問題が発生すればただちに解決していけば、決算の数字はおのずと良くなります。

チェーン店の場合は、本部が経営機能をすべて握っている場合もありますが、

どんどん注文をつけてみることです。

お客が不満に思っていることを感じ取れるなら、その情報は企業にとって財産です。

そこから解決すべき問題点が明らかになるかもしれません。

普通の本部なら、ちゃんと聞いてくれるでしょう。

ちゃんと聞かない本部なら、そのチェーンの未来は暗いので、さっさとやめてしまいましょう。

問題を発見し、解決方法まで提案できるような人材を大事にしない会社など、

あなたのような優秀な人がいつまでもいる必要はありません。

あなたを必要とする、あなたの価値を知る会社はいくらでもあります。

さらにもっとステップアップしてください。

いい上司に巡り合えるに違いありません。



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