※昭和20年代・Made in occupide Japan （占領下の日本製）と記されるブリキ玩具 News Boy






前回の続き「まったく、あなたは自分のすごさを知らなすぎですよ！①」




その理由を、当時高校１年生だった生徒に教わることになる。


その生徒はけっこうフルタイムでアルバイトをする高校生だった。


毎日８時間のアルバイトを月に25日、月200時間は働いていた。


それほどお金が必要だったわけではなくて、働くことが好きだと言っていた。


たまの休みの日には秋葉原に行ってパソコンのパーツを買い集め、自作のパソコンを作っていた。


秋葉原といっても2008年当時のことなので、今の様なオタク文化ではなく、


機械工作の部品などが所せましと売られている街だった。


彼の自作パソコンを見ることはできなかったが、


かなり実用に耐えるスペックだったことを聞き覚えている。


私はよく尊敬の念で「すごいね、よく勉強してるね」と声をかけたが、


彼の反応はいつも「パソコンなんて誰でも作れますよ」。


「いやいや、必要なパーツを安く見つけて組み立てて動かすのは凄いことだ」


と言ってきたが結局、彼に伝わることはなかった。


自分ができることは、他の人にもできる、なんとなく人はそう思ってしまうところがある。


確かに、特別な技術ではないにしても、


コツコツと長期間続けること、


毎日、そのことについて思う。考える。


本人は好きでそうしているのであって、努力している意識はない。


それが才能でないなら何を才能というのだろう。


シティーキャンパスには、芸能・ダンスを仕事にしている人が少なくないが、


同じようなことが多い。


振りを写すのは素人にすれば神業だ。


音を聞いて身体を即座に動かして表現できるのは日々の積み重ねに他ならない。


それが将来の役に立つとか、立たないとか、金が稼げるとか、稼げないとか、


そういう価値観はとりあえず無視していい。


意味など考えない。


深い考えなどなくていい。


何かの手に導かれる。


明日からがんばろう、ではなく今やりたい。


今でなくてはならない。


そんな十代の思いは、人類の宝であると思う。


もし、その宝が社会や大人に傷つけられるようなことがあってはならない。


十代の「今」「夢中」「狂」みたいな、人間の根源的なエネルギーをつぶしてはならない。


もし、そういった宝がある人は全力で大切にするべきであり、


ない人は、これから出会う仕事に期待するのがいいと思う。


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