シティーキャンパスの講師の一人、K先生。

年に２回、海外でボランティア活動を長年続けている。




「崎山さん、どうもしばらくです」

「やあ、どうもK先生、またどこかすごいとこ行ってきました？」

K先生は戦場に行くこともある。

普通の人がしない経験をたくさんしている。

「行きましたよ。戦場ですからね、ご遺体がでるんです」

「そうなんですか。たいへんな仕事ですね」

「エンバーマーの人たちと一緒にね、ご遺体をきれいにしてきました」

「え、そんなことまでするんですね」

「やります。必要があるから」

「エ、エンバーマー？」

「はい、エンバーマー」

「エンバーマーって何？」

「え、崎山さんほど物知りでも知りません？」

「ほんと、知らない。なに？」

「エンバーマーって、エンバミングするんです」

「いや、全くしらない。ちょとまて」

（検索中）

【エンバーマー】遺体を消毒や防腐、修復などの処置を行う職業。

「まじか」

「です」

「やった？」

「やりました」

「こ、これは」

「戦場ですからね、きれいとは限らないんです」

「そ、そうなのか」

「はい、戦場じゃなくて、日本にもありますよ」

・・・

もっと詳しく知りたいぞ。

えーっと、

エンバーマーの主な仕事は、ご遺体を生前に近い姿に整え、故人との別れをより良いものにすることです。

なるほど。

確かに、お葬式でご遺体と対面するとき、死装束を着せ、化粧をほどこし、棺桶におさめ、

そのあたりにもいろいろと仕事があるんだ。

「はい、死装束は襟を左前にするとか、風習があるじゃないですか」

そうだ。

しきたりがいろいろあるんだ。

宗教、宗派によってあるんだねえ。

「天冠（てんがん）はわかります？」

それは聞いたことある。

ご遺体の頭につける三角巾だ。

「あれ、最近は頭につけないんですよ」

そうなの？　どこにつけるの？

「ずた袋に入れて、御棺におさめます」

そうなんだ。顔の感じが変わるからなんだ。

「宗派によるけど、死に水も儀式としてあるようです」

ああ、聞いたことあるなあ。

ご遺体の口に水を含ませる、あの儀式ね。

故人の安らかな旅立ちのためにやるのか。へえ、それは知らなかった。

「なかなか、ふだんご遺体に会うことって、ないですからね」

そうなんだ。

私も祖父の葬式で１度しかない。

私も知らない職業って、まだまだたくさんありそうだなあ。

「崎山さん、生徒の進路指導に必要なことですよね」

そうなんだ。

世の中の職業をすべて知ることはとうていできないけど、

できる限り、知っておきたいんだ。

K先生、他にもなにか知られていないけど大事な職業、調べてみてよ。

「わかりました」

【エンバーマーの仕事内容】
・ご遺体の消毒や防腐処置
・お着替えやお化粧をして身だしなみを整える
・損傷がある場合は修復処理を行う
・血液に代えて衛生保全液を注入する
・切開部分を縫合して、全身を洗い清める

（就職先）
葬儀社、納棺専門会社、 冠婚葬祭互助会。

（エンバーマーの資格）
遺体衛生保全士
エンバーマー認定校を卒業してエンバーマー認定試験に合格する



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高校生転入：毎月25日

【学費】
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年間サポート費用：188,188円（20年間値上げなし・税込）

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